WEST EXPRESS 銀河

JR西日本「WEST EXPRESS 銀河」のコンセプト・車内設備の構成など企画検討段階から、座席や内装のデザイン設計はもちろん、乗務員の接客まで私たちが提案・担当した。1980年製の117系直流型電車6両編成を活用し、改造工事はJR西日本と関係各社が担当し、吹田総合車両所で施工された。 少子高齢化と沿線人口の減少が進むJR西日本の沿線地域において、次世代に向けて鉄道の持続可能性を目指す必要があった。車社会の深度化により、鉄道は役割を失いつつある。「鉄道会社と地域との共生」に活路を見い出す方針が示され、この「WEST EXPRESS 銀河」はそのフラッグシップ的存在と位置付けられた。さらに、鉄道に興味がないユーザーに向けて、新規開拓を進めるための魅力的な鉄道車両デザインが求められた。 私たちはお客様の声を代弁し、誰もが持っている「遠くへ行きたい」という気持ちに応える電車を創りたいと考えた。寝そべりながら景色をゆっくり楽しめる「プレミアルーム」、欧州のプルマン式寝台のような「ファーストシート」、二段ベッドふうの「クシェット」、お客様と地域の皆さまが交流できる「遊星」、静かに読書など夜更しできる「明星」、乗務員室の展望を少し楽しめる「彗星」など、様々な種類の過ごし方を多彩にご用意した。​ 西日本の美しい景色に映え、天候や時間によって変化する瑠璃紺色ボディ、車内外のロゴ・ヘッドマークなどのグラフィックも全て当社で担当した。この電車は、地域連携という重責を担いながら、西日本への新しい旅を提案する。 当初、2020年5月8日の運行開始を目指していたが、新型コロナウィルス感染拡大により延期となり、空気清浄機を追加設置する対策を施し、同年9月11日から運行を開始した。おかげさまで今現在、すべての列車で満席御礼を頂戴している。