
余白のある家 本計画は京都市左京区にある閑静な住宅街の一角にある敷地で既存の建物を取り壊し、新たに新築する計画。 周囲は、低層の住宅が立ち並んでいる。既存の建物も同計画と同じ3階建て住宅で、既存の3階部分からは、周囲が開け開放感のある景色を楽しむことができる敷地となっていた。 この開放的な景色を楽しみ暮らすことのできる住宅を希望されたため、3階部分にリビングスペースを設ける計画とした。 敷地北面には、山々が開け、南面は、低層の住宅街の奥に夏は花火が見える風景となっている。 その景色を切り取るかのような開口部を設け、窓際にベンチをつくり、外との空間を繋げている。 北側の窓は、出窓とし、キッチンスペースの一部として使用できるような計画とした。キッチンやリビングスペースの一部が外と繋がることで、開放的で心地よい空間となっている。 今回のクライアントは20代であり、今後の家族構成は未定である。 また、自宅でリモートワークを行うので、居住空間のどこにいても心地よく仕事ができるスペースも確保する必要があった。このため、既存の住宅のように当初から個室をつくることはせず、将来の暮らしにあわせ可変的に部屋をつくれるような余白がふんだんにある空間とした。 1Fは土間空間となっており、2Fまでの吹き抜け空間となっている。 現状は、広場と外部が繋がる土間空間となっており、友人やペットと過ごす趣味の場と、ゆったりとリモートワークのできる空間となった。 将来的には、暮らしに合わせて個室をつくったり、さまざまに変化することができる計画となっている。 敷地の条件や、クライアントの暮らしと一緒に変化していく建物は、ともに成長しつづける、暮らしに寄り添う建物となった。