




クライアントは4人家族。 ご夫婦は共にテレワークを中心とした働き方をしていて、まだ幼い子供と一緒に家で過ごすことが多くなっていた。元々は電車で通勤していたので駅に近い集合住宅に住んでいたが、働き方の変化や子供の成長に合わせて駅から少し離れた郊外に、広さにゆとりのある既存の木造住宅を購入し、改築するという選択をした。 敷地は、東・南・北の3方が車道や遊歩道になっていて、光が良く入り、風通しも良い環境である。ただ、既存建物は日本家屋のような設えで、壁や襖によりいくつもの部屋に仕切られていた為、家の内部は暗くなりがちだった。その為改築においては、リビングと和室を仕切る耐力壁を適切な補強を施した上で撤去し、開放感のある新たなリビングとした。分割されていた部屋を1つの大きい空間にすることで、それぞれの部屋にあった窓が不規則に1つの空間の中に出現してくることが懸念であったが、カーテンを壁と同化させることで窓の存在感を消し、空間の統一性を図った。 都市において住宅の購入を考えた場合、駅に近い便利な場所に家を購入することは、通勤などの利便性は良いものの価格や広さといった部分に課題が生じることが多い。ましてや、駅近の土地を購入し、設計事務所に依頼して注文住宅を建てることは現実的にハードルが高いと言えるだろう。それを考えると、郊外の中古住宅を自分好みに改築するというのは時代のニーズを捉えている。テレワークの導入による働き方の変化や、住居が住むだけでなく、働く場所としても役割を果たす時代において、この「2021郊外の住居」はクライアントにとって理想的な住まいになったのではないかと思う。
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