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ビルディングタイプ
ギャラリー

DATA

CREDIT

  • 設計
    ひとともり
  • 施工
    Burg Design Banker
  • 撮影
    森山雅智

奈良明日香にある築50年の民家をアートアドバイザーallier 奥村くみさんのビューイングルームへとコンバージョンするプロジェクトです。 既存建物のもつポテンシャルとして門、たっぷりとした前庭のアプローチ、玄関の大きさ、暗い廊下、前庭に面した収納部屋、庭に面した明るい客間がありました。 私達はこれらを最大限活かしながら、自然光や庭との関係を建築的に操作する事で空間の質をアップデートし、更に奥村さんらしいディテールとプロポーションを与える事がallierさんに相応しいと考えました。 ここに配置されるアートとの関係からインテリアコーディネーターでもある奥村さんのスタイリング、すなわち白と黒の対比のある素材感溢れる空間がアートと対峙する事になります。 玄関は前庭との関係があるにもかかわらず既存の玄関建具がその関係を断絶していたので、朴(ほう)の板戸とガラスの建具へと更新しました。両脇のガラスの建具を通し玄関と前庭が繋がり、外部と内部が積極的な関係を持ち始めました。 障子桟のプロポーションを刷新し、太鼓障子にて明るさ感と空間の繊細さを調整しています。 廊下への自然光は全て隣接部屋からの漏れた光のみで構成し光の質を他の部屋とは変えています。 部屋の幅いっぱいに設けられ繊細な桟で構成された障子により自然光が拡散されたビューイングルームは優しい白の空間です。天井高や開口部の高さをコントロールし新しい和の空間を目指しました。ハタノワタル氏による床の和紙は年月を経て擦り減る事で更に味わい深い空間となる事でしょう。 ビューイングルームと小間の障子を開け放つと前庭と庭が一気に繋がり、室内空間が庭という自然と一体になると同時に、1400年を誇る明日香の歴史の風が鶯の声と共に爽やかに室内を駆け抜ける気がします。

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