火と人

ビルディングタイプ
レストラン
5
265
日本 福岡県

DATA

CREDIT

  • 設計
    株式会社百枝優建築設計事務所
  • 担当者
    百枝優、阿部悠子、濱口まりか、奥村光城
  • 施工
    施工:株式会社ファイブ、照明デザイン:ミストライトデザイン合同会社
  • 撮影
    八代写真事務所

福岡市博多区千代に位置する地下鉄直結のビル、「パピヨン24」に計画した社員食堂。西部ガスグループが所有するビルの地下1階、食堂街に位置する複数のテナントをまとめて改修するという依頼だった。社員のための健康食堂であるが、時間帯によって地域の人々にも開かれたコミュニティスペースとしての利用を求められた。 地下特有の窓が無い閉鎖的な環境を、明るく開放的なものに変えるため、自然光が「屋根」の上から降り注ぐイメージから着想した。ガス会社を象徴する「火」を扱うキッチンを中庭のように中心に配置し、「人」が集まるための「屋根」が取り囲む平面計画とした。 コの字型につながったひとつながりの「屋根」を、配膳、商材コーナー、カフェ、ラウンジ、長テーブルなどの使い方に合わせて分節し、高さを変えた。天井裏に充填された既設のダクトや設備機器に合わせ、天井高をできるだけ確保しながら頂部の高さを変え、「屋根」同士のズレ(高窓)から光を取り込んだ。 高窓の詳細においては「屋根」同士を重ねてガラスを納めることで、「屋根」の厚みを石膏ボードの厚み(12.5mm)で表現した。見切りを工夫することで、壁や強化ガラスも「屋根」と同様に仕上げ厚(10mm、12.5mm)のみで表現し、8つの「屋根」の空間を入れ子状に連ねる全体構成とした。 民間企業が地域に開かれた場所をつくるという魅力的な試みに対し、「地下における光」をデザインすることで応えようとした。

5
5