
ご両親世帯+息子さん世帯+娘さんのための三世帯住宅。 敷地は丘陵地で南側に急傾斜がある高低差の激しい地域である。敷地内では南側半分が急勾配になっていて,手つかずの雑木林のような庭、が残されていた。庭の緑は青々としていて美しく思われたので、庭の環境を残したいという考えはコストの面からも、クライアントと意見が一致した。そのような条件を踏まえ、私達は敷地の中心に南北を通す空間『通/トオシ』を提案した。風の通し、視線の通し、人と人の通し、『通/トオシ』は3つの意味を持ちます。『通/トオシ』の空間は建具を開け放すと道路と庭をつなぐ半屋外的な場となるため、家の中にいるようで、街や庭の中にいるような感覚を覚える。世帯間の距離感を保ちつつ、環境も家族も一体となるような、多世帯で暮らす楽しみを共有できる場になることを願っている。
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