
住宅街の中に位置し親水公園に隣接する元自動車板金塗装工場をリノベーションした弊社事務所の内装計画です。 設計事務所を開設してから、常に設計事務所としてのあり方を考えてきました。 私たちの仕事は建物・空間をつくることです。 住まう/使う人に良いと思ってもらえる建物や空間を少しでも多くつくっていきたいと思っています。 只、どのように使われるかによってもその空間の良し悪しは変わるとも思っています。 当たり前のことかもしれませんが、お花屋さんが近くにあるエリアでは、そうでないエリアに比べて部屋に花を生ける人が多いと思います。 新鮮な魚介を扱う鮮魚店が家の近くにあれば、魚が食卓に並ぶ家が多いでしょう。 同じように建築や空間を意識する場が近くにあれば、少しでも生活空間に良い影響が与えられるのではないかと思っています。 少しでも多くの人に建築について意識してもらえるように、事務所を路面店に移すことにしました。 設計事務所は敷居が高いと思われることが多いので、より街に馴染んだ空間となるように、コーヒースタンドと観葉植物のお店も併設しています。 今回の計画では奥行きが長い既存空間を生かし、コーヒースタンド・植物店・設計事務所がシームレスにつながるように設計しました。 陳列棚の反復、カウンター・テーブル・建具框の高さの調整により建物奥にある親水公園まで見渡せ、広がりがある空間としています。 街に繋がるような大きな開口部を設け、その空間にさらに開放性を持たせました。 各スペースの仕上げ・マテリアルには部分毎に統一性や違いを付け、それぞれが繋がりながらも曖昧に分節させています。 今は倉庫として使用している2階部分も、今後はギャラリーやイベントスペースとしての運用を考えています。その場所も含め、この空間が街の一部として機能していくことを期待しています。