野菜の無人販売所

ビルディングタイプ
アパレル・雑貨

DATA

CREDIT

  • 設計
    畠中啓祐建築設計スタジオ Stフレーム:井戸鉄建 テント:丸八テント
  • 担当者
    畠中啓祐
  • 撮影
    大田拓実

野菜を中心とした無人販売所のプロトタイプです。 「生産者の想いを届ける」という”TOKYO KITCHEN GARDEN MARKET”のプロジェクトの一環として企画されました。 郊外には生産緑地法の変移をなぞるように宅地と生産緑地がモザイク状に連なる風景が多々見られます。生産性から言えば効率的ではないこのようなまだらな生産緑地ですが、実は生産と消費が隣り合う効率的な経済サイクルとも見ることができます。 この無人販売所では野菜をカーテンに平面的に陳列しました。平面的に陳列することで路面からひと目で商品が認識できるようにしています。野菜を陳列するポケットには野菜のほかに品質保全のために少量の水を蓄えたり、生産者のプロフィールカードを入れたり、野菜のレシピを入れることもできます。カーテンの色は往来する車からも視認しやすいように野菜の緑と補色の関係にある赤を基調としました。 構成するフレームは今後地方でも展開しやすいように、近隣の鉄工所に図面を渡せば細かい打ち合わせがなくとも製作できるように極力簡単な構成とし、その他の部材もオンラインショップ上で揃えられるような流通品で構成されています。テントとベンチを用意することで地域の休憩所になることも期待しています。 2022年には生産緑地法の営農義務の期限が切れることにより郊外の風景が大きく変わる可能性があります。大規模な政策や経済活動によって無個性になりやすい郊外ですが、この無人販売所が独自の経済圏づくりのきっかけになればと願っています。

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