
自然と呼応した大らかな平屋 京都の日本海側、宮津の雄大な自然と呼応した、大らかな平屋の週末住宅です。クライアントの要望は、木の質感を生かした佇まいとすることと、庭側に大開口とウッドデッキ、そして愛犬と遊べる広い庭を確保することでした。 建物は、南の山に向かって開く大屋根で覆われたLDKを中心に、東西に両手を伸ばしたようなコの字型の平面形状としています。大屋根の軒は2m出ていますが、室内を構成する登り梁とは別の列に、宮津の積雪に耐えられる梁を、室内側から持ち出して実現し、全体として材寸と長さを押さえながら大屋根を構成しています。軒先は梁を絞り、他の屋根と同寸の水平ラインが軽快な外観をつくっています。 大開口は木製製作建具として、引き込むと全開放できるようにしました。軒で覆われたウッドデッキはLDKの延長となり、南側の山とより近い関係となります。また、リビングには薪ストーブを設置して、炎を楽しむと共に高い天井の空間でも暖房効果が得られるようにしました。 建物全体はコの字型の平面となっているので、各部屋から見る方向が変わり、背景の山と杉板の外壁と屋根形状が重なった景色も変わる事で、平屋でありながら単調とならず、多様な経験ができる空間となっています。この風景は、季節の移り変わりで背景の山の色合いが変化し、さらに経年で外壁の色合いも変わっていくことで、常に表情が移り変わります。自然の恩恵を受けて飽きのこない住まいとなっています。 また、主な構造材は京都府産のヒノキとし、地域に根ざした家づくりとしています。
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