求院の家

ビルディングタイプ
戸建住宅

DATA

CREDIT

  • 設計
    ハルナツアーキ
  • 担当者
    村梶招子 村梶直人
  • 施工
    石川工務店
  • 構造設計
    寺戸巽海構造計画工房
  • 撮影
    中村絵

求院の家 敷地は島根県出雲市内にあり、宍道湖にそそぐ斐伊川と、日本海にそそぐ神戸川が運ぶ土砂によりできた出雲平野に位置する。平野の少ない島根県では一番の米所で、防風林のための築地松が印象的な地域だ。100坪ほどの敷地には防風のためのカイヅカイブキが北西に整然と並び、その先には道路を挟み田園風景が広がっていた。 クライアントは30代のご夫婦。延べ面積20坪強の小さな住宅のため、必要最小限の機能が平屋内におさめられている。 道路からのプライバシーを守るため、GLから90cm床を持ち上げたリビングの窓には田園風景が広がり、クライアントの大きな楕円テーブルを置いても決して狭さは感じない。 また床レベルを下げた寝室とは適度な距離感があり、その向こうには自分たちが育てている土壌改良のための一面のひまわりが遠くに見える。寝室に降りるとプライベートな庭が近づき、リビングダイニングの窓からは空だけが見え、地下に潜ったような安心感が得られる。2つの部屋を区切る家具は、普段使いの収納に加え、内側にはリビングダイニング下の床下収納につながる扉が隠され、コンパクトな住宅を維持できる十分な収納量が備えられている。 職場までの距離は近く、両親も近くに住んでいる。美しい田園風景を楽しみながら、広い庭で畑づくりを楽しむ。 時々は両親や友人を招いて夕陽を眺めながらの夕食。地方でのコンパクトな暮らし方の理想形の1つを実現できたように思う。

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