ROKA

ビルディングタイプ
戸建住宅

PROJECT MEMBER

DATA

CREDIT

  • 設計
    f a r m / 藤本章子村部塁建築設計事務所
  • 担当者
    村部塁、藤本章子
  • 施工
    リトラス
  • 撮影
    鈴木淳平

 築30年の戸建て住宅の2階の改修である. 既存のL字型のLDKは4面に窓を持ち、東側は緑道、西側は空地があることで明るく風も抜ける可能性を持ちながら、東側施設との距離の近さや、窓周りが物で溢れるといった理由で上手く機能していなかった.そこで、ワンルームのLDKを中心のホールスペースとそれをサポートするサブルームや収納などに分節し、内部同士や内部と外部の関係を再構築しようと考えた.  前面道路側は向かい側が空地で開けていたため、そこに開いていくように斜めの分割線を引いた.斜めの分割を起点にL字型のワンルームは不整形なスペースの集合となり、中心をホールスペースとして周囲のサブルームとの間に多様な奥行きが生まれるようにした.北西に開けた大きめのキッチンルーム、TVや物の収納たち、本などを詰め込めるスタディルーム、ステアルーム、サンルーム(バルコニー)とのバッファーとなるランドリールームはそれぞれ異なる素材や色味で仕上げ、ホールとの間を空気の抜ける透過の折戸建具で間仕切ることで開放度を調整できるようにした.建具の上部は連続する陳列棚としても機能する.また、ホールの形は2つの直角三角形の組み合わせであり、その対角方向に床はフローリング、天井は羽目板を全体に貼ることで既存建物の軸を弱め、ホールを中心にサブルームや窓へ等価に広がりを持つことを考えた.  分節されながら空気のつながる準ワンルームは、広がり方やその射程を再定義することでより大らかな環境を生み、新たな開放性を生活に与える.