
90年代前半のバブル期に計画された特徴的な窓のある河原町三条のテナントビル。ギラギラとした装飾的なエレベーターホールを通りたどり着くここは、対照的に装飾を剥ぎ取った90年代以降に生まれた若い世代のための飲食店です。 L型に長く伸びる動線の中で用途が違う空間が展開していく平面計画になっています。エントランスから正面にはバーカウンターとダイニングスペース、奥にはゲームコーナーやダーツスペースがあり、高瀬川に面したスペースには円形のラウンジを設けています。 シンプルな素材で構成した大空間が多様な表情を持ったエリアに緩やかに分節されるようマテリアルや形状、スケールをシミュレーションして組み立てています。 過剰に着飾ったコロナ禍で取り残されていくビルを、2020年代に生きる若者が乗りこなすイメージを、作り込まない等身大のインテリアで表現しています。
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