
PROJECT MEMBER
住吉大社に通じる人通りの多い通りに面している。 院長の考えである、長居したくなる居心地のいい歯科医院をめざし、おおきくふたつの提案を行った。ひとつはテーブルの待合室。もうひとつは縁側のようなインナーガーデンテラス。 待合室は長さ3m無垢の特注テーブルに北欧の定番ダイニングチェアを組み合わせた。一方の壁は全面本棚、診察室との間仕切りは天井までの木製で一部が建具として働く。フリーリングや天井の合板など仕上材に木を多用し、照明は電球色にして、温かみのある居場所をつくった。 縁側のようなインナーガーデンテラスは並列する待合室と診察室、その2室と表通りとの緩衝帯であり、前室ともなる。間口を全面開口にすることで室内にできるかぎりの日の光を採り入れつつ、鉢植えの緑と薄地のファブリックで視線をさえぎる。表通りに対しては良好な景観と夜には常夜灯で灯りを提供することで周辺に寄与した。 こうしたプランニングは結果として歯科医院の動線をあたらしいものにした。 患者は引戸を開けくだけで待合室と診察室を往き来でき、医師とスタッフも診察室と作業エリアを壁1枚すりぬけるだけで往復ができる。 患者の居心地と医師・スタッフの作業性をふたつながらに高めることができた。