
PROJECT MEMBER
このレストランは、漁師の家族がシーフードを提供することで、海と陸の接点となります。SERENOはまちがそのまま延長する土間のスペースとしていて、漁師たちが作業していた平場と関係性を作りました。レストランは古い平屋に収容されていますので、まちと関係性以外、耐震補強が一番大事な考慮でした。そのために、高圧木毛セメント板と鋼製筋交いを採用しました。 既存の土壁の素材感と呼応した空間としています。耐震補強のスパンと、既存建物から残った欄間のスパンは異なりますが、その大きさの違う空間が同時に存在することで、あたかも輪郭が動的に揺らぐような空間体験となりました。二つのスパンの違いは、素材の違いでもあり、まちの歴史を残しつつ、新しい公共的な場所を作り出しています。 2019年に和歌山県の「きのくに建築賞」特別賞を受賞しました。
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