DIG THE LINE OFFICE

ビルディングタイプ
オフィスインテリア

DATA

CREDIT

  • 設計
    CHAB DESIGN
  • 施工
    ウェルカムトゥドゥ
  • 撮影
    長谷川健太

ヨーロッパのクラフトビールを輸入し、日本のクラフト酒を世界へと発信するDIG THE LINEのオフィス計画。場所はキャットストリートの愛称で多くの若者や観光客が行き交う通りに面した築48年の雑居ビルの5階。元は壁一面の大きな鏡があるスタジオとして使われており、床にはヘリンボーン調の塩ビシートが貼られていた。ここに初めて訪れたのは10月半ば。12月初旬より稼働させたいという施主の要望により約1.5か月の計画がスタートした。求められたのは座席6名分と書類棚、状況に応じてフレキシブルに対応できる余白を残しておくことだった 「つくり込みすぎず仮設的に」という施主の言葉と施工期間を短縮するという必要性から容易に手に入る既成パーツを利用することにした。 主にビニルハウスの組み立て等に使用される25.4φの農業用単菅パイプと様々な形状のジョイントパーツは自由度が高く拡張性にも優れている。少し華奢なパイプの存在感がこの規模の空間には違和感なく溶け込むと考えパーチクルボードと組み合わせた家具を製作した。 余分な間仕切りや造作を剥がしていくと既存の鏡壁の裏には外に広がるビルの風景を切り取る南向きの窓が隠されていた。それにより西向きの連続窓と1つの視界の中で繋がり空間に広がりが生まれた。 窓に沿って空間を囲うようにコの字型にベンチを設け一時的なミーティングなど余白を活用するきっかけとした。窓際のベンチに腰をかけ、通りの景色を眺めながら仕事ができる豊かなオフィス空間となった。

2