
東急東横線、妙蓮寺の緑溢れる公園の傍。 元々郵便局のあったビルをコンバージョンしたコーヒーロースタリーのショップデザイン。 約50年、その場所にあったビルの佇まいや雰囲気を残しながら、 ビルの持つポテンシャルを活かすようにデザインをしていった。 内部は解体して出てきた昔ながらの細かい型枠のコンクリート駆体を活かしつつ、 床の洗い出しは郵便局時代を面影を残し、補修や塗装も最小限ながら最大限に環境を活かすよう取捨選択をしていく。 厳選したコーヒー豆を'焙煎'するように、 空間を構成する什器や素材たちも、素材が持つ本来の良さを大切にしながらそこに落とし込んでいく。 現場で型枠を組んだコンクリート研ぎ出しのカウンター。鉄の風合いを生かした什器。豆を粉砕すること から着想を得た、砕いた繊維から作られた再生材料の棚板。 オーナーや既存店の持つどこか角の取れた地元に愛される雰囲気を、什器の小口のR(アール)に込めて固く緊張感を生みがちな素材たちに暖かみを付加していった。 駆体、焙煎機、内装、什器。 古き良き空間の中でそれらを'ブレンド'し、それぞれの良さを'抽出'するように落とし込むことで、真新しさが持つ違和感がない、佇まいを継承するような空間に仕上がった。
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