
静寂な住宅地で計画された2世帯住宅である。 2世帯が緩やかに繋がることを意識してゾーニングを考えていった。1階は親世帯、2階、3階は子世帯というベーシックな構成を基本としながら、2世帯の共有スペースとして建物の中心に中庭と、その中庭に面した書庫を挿入した。ご両親は2階にアプローチしながらも、子世帯のスペースを通らずに中庭と書庫に訪れることができる。書庫とリビングは中庭を介して配置し、ごく自然なかたちで2世帯が触れ合えるようにと考えた。中庭は2階以上のボリュームをえぐるように作られ、床は芝で覆われているため、あたかも小さな山間の谷間にいるような包まれた感覚になる。ご夫婦とご両親、これから大きくなっていくお子さんが、この小さな谷間のような中庭と書庫を通じて自然なつながりを楽しんでくれたらと考えた。