




CREDIT
- 設計
- 企画:拓匠開発、 全体ディレクション:シロアナ、 設計事務所:上領大祐建築設計事務所、HIGASHIYAMA一級建築士事務所、今城瞬建築設計事務所、 設備:EOS plus、 サイン計画:諸橋拓実、 照明計画:シアターカンパニー、Feel Lab、 植栽:ランドスケープハウス
- 担当者
- 寺島敏貴(シロアナ)、 上領大祐(上領大祐建築設計事務所)、 東山満(HIGASHIYAMA一級建築士事務所)、 今城 瞬(今城瞬建築設計事務所)、 工藤英之(拓匠開発)
- 施工
- 日南鉄構
- 構造設計
- Graph Studio
- 撮影
- 神宮巨樹
・概要: 本業はデベロッパーであるが、それに収まらないカテゴリーで活動する企業の第二本社ビル(実直な本社に対して革新的な第二本社)の計画。“職人的な気質”と“企画プロデュース的”な面を併せて表現出来るデザインを心掛ける一方、建築からサイン、オペレーション面までそれぞれの計画で同じコンセプトを貫いたことで一貫した表現となった。 ・背景: カフェを含め、全階の入居者でもあるこのビルのオーナーは、宅地開発許可・設計・造成から戸建住宅の企画・販売まで行うデベロッパーであり、宅地割と同時に公園や道路等の計画を念密に行い、住み良い街を実直に創出している。また、同時に地域の公園活性化の為にアートやスポーツのイベントを企画運営したり、民地をツリーハウスのあるカフェとしてコミュニティスペース化するなど、不動産事業以外のビジネスや活動も積極的に行う企業でもある。これらの両側面はハード及びソフトの両面における「街のインフラ」を整える活動と言える。このビルは多岐に渡る事業を行うこの企業の第二本社として(本社から徒歩3分ほどの位置)、社員がデスクワークや打ち合わせをあらゆる場所で行え、かつ地域に開かれたカフェ(オーナー自ら運営する地域の人気ベーカリーが出店)を持ち、オフィスでありながら、まさに「街のインフラ」となり得る建物である。 ・デザインのポイント: 前述のように二面性のある企業の本質を表現できるようなデザインを試みた。一つは「技術者と職人の集団」という面。具体的には「あえて構造や設備が露出した骨太な建物」「キャビネット(本棚)自体が外壁となりインテリアが外装にも表出」「本業で使用する土木資材を利用した家具」「スチールやガラス、コンクリートなどの素地の質感を大事にした仕上げ」などを実施した。もう一つは、色んな引き出しのある企業としての側面。具体的には「外装に表出している各階の本棚を始めとした各所のキャビネットのモチーフは中に宝物(大事な資料、そして人財)が入っていたり、出てくるイメージ」「様々な場所で色々な働き方が可能。一人で、皆んなで。立って、座って。」「カラフルでポップな内装。大胆なグラフィックを空間に適用」などを実施した。このように実直な建物のフレームに様々なユニークなアイデアを詰め込んだ多様なイメージの建物となっている。 ・ネーミング: 「THE CABINETS」という名称は大きく二つのイメージから発想した。一つ目は、キャビネットの中に お気に入りのもの(人)が入っている(また、内からどんどん出てくる)イメージ、特に1・2Fはマグネットスペースとして社内外の人財が出入りする(スタッフは時間限定でドリンク一杯無料、地域の老若男女に人気ベーカリーのラップサンドが人気)。引き出しがたくさんあって、会社やスタッフのポテンシャルが高いイメージという“宝箱”感からの発想である。二つ目は、内部の本棚がそのまま外壁として表出しており、本棚が積み上がって建物が建っているイメージ(正確には本棚は「shelf」だが、「cabinet」という言葉の宝箱感を優先)。キャビネットのモチーフはスケルトンの中の様々なインフィル(各部屋や収納等)にも適用される。この二つのイメージで、ハード的にもソフト的にもこの名称を建物全体として体現している。


