
長野市善光寺の表参道にあたる中央通りに位置する大正14年建造の商家を、1階を飲食店、2階を県のUDCの事務所として改修。本工事着手前は、中央通り側に展示ショーケースが設られており、通りから内部を見通しづらい構成となっていました。また内部も間仕切によって分節されていました。 ショーケースを取り壊し、通りよりセットバックした場所に引き戸を設け元の姿に戻すことで、中央通りに陰影を作り出し、内部の賑わいが漏れ出すよう計画。欅の構造材や花の紋様が施されたガラス等を残し、現代では再現し辛い技術を後世へと伝えていきます。 運営者の「信州に根付く発酵文化を新たな形で継承していく」というコンセプトをふまえ、新たに加える素材は既存の木材と対比させた異素材とすることで、既存の木材の力強さを引き立てます。 新たなお店が始まる機会に、中央通りにふさわしい表構え、既存の技術・素材を引き立てる改修とすることで、地域に愛される建築物へと変容しました。
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