
スミカのスミをまちにひらく家 古くからの住宅街のなかに新たに整備された分譲住宅に建つ住処(スミカ)である。並びの住宅は南西側の前面道路に並行に配置しているが、陽光の取得を考えると、配置を南北方向にあわせて、前面道路に対して30度程傾けることが合理的であり、幅員の狭い前面道路からの車の出入りにも適していた。それにより、建築の二つの面がまち側に面し、建物の「隅」(スミ)が道に対することになった。その「隅」を開くことで、住処は既存のまちや環境と直接繋がることになった。暮らしの中で繋がる度合いを程よく調節出来るよう、ガラス入り建具やメッシュスクリーンを設けている。内部では明るい上階を主な生活の場としている。下階から上階までゆるやかに繋がるよう、用途の異なる空間ごとにレベル差を設けて、ゆるやかに場所を分けつつ繋いでいる。一番上のレベルの居室の下には、レベル差を利用して床下ロフトを設けている。
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