
都内のマンション一室の改修プロジェクト。 家族や友人で囲む大きなキッチンダイニングテーブル。仕事場と日常を緩やかに仕切る背の高い本棚、一箇所にまとまっていて家事効率の良い水回り、ゆったり眠れる大きなベッド。 思い描く生活の風景と家具を、限られた大きさのワンルームに丁寧に配置していった。 最小限の空間を効果的に利用するために、背の高い本棚や、水回りのパッケージがそれぞれ違う角度で振られている。外周の壁との間にできる三角形のスペースは、一人で利用するのに十分な奥行きを確保できる。 その結果として、家の真ん中に置かれたダイニングテーブルは北東側の窓越しに広がる神社の杜へ自然と意識が向くような形状へと導かれた。 床はいくつかの段差によってつくられ、キッチンとダイニングテーブルのレベル差を解消していたり、仕事場との境界、腰掛けられる場所になっていたりする。分散的にレイアウトされた家具もまた必要に応じた様々な高さで全体の風景に起伏をもたらす。外周の壁と家具、家具と家具の隙間から光が回り込み空気が循環する。 心地よい環境をつくりだす微地形、家具のランドスケープをつくりだした。
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