
薬学に特化した個別指導、オンライン指導のオフィス兼自習室のインテリアデザインである。 オフィスビルの一角に事務室、会議室、用途別の自習室を2つ要求された。 この物件は賃貸であることから、将来的には原状回復が要求される。つまり、照明器具や空調設備などの撤去や増設をしてしまうと転居時には再設置や解体をしなければならない。 これを避けるため照明、空調設備には一切手を加えず、既存のものを活かしながら使用が出来るよう計画を進めた。 まず機能により、スタッフが使用する「事務室」と「会議室」に「ダークグレー」、受講生が使用する「自習室」には「ライトグレー」とそれぞれにカラーを与えゾーニングする。 同時に設計図面で用いられる「X軸」と「Y軸」にそれぞれ「自然素材」と「無機質素材」を与え、「X軸」方向と「Y軸」方向で視覚による印象の操作を試みた。 「X軸」方向から見れば自然素材である「木」の割合が増加し暖かい印象を、「Y軸」方向からみれば「グレー」の割合が増加し無機質な印象を感じる。 自習へ向かう人の動線と心の在り方に素材感を添わせ、学習への気持ちに貢献したいと考えたのだ。 「Commew」とは、Communityからの造語であり、学校などの集合体、同じ目的を持つ団体等、思想の共有を意味している。この空間も小さい家具の集合体でできている。 今後、この家具の集合体がCommunityを作り出し、「Commew」という空間をかたち作っていくことが非常に楽しみである。