




マンション1室の改修プロジェクト。 壁や天井といった内装を施す代わりに、高さや幅の違う5つの大きな家具を分散して配置した。 大きな家具は、RCの既存躯体に対して 25°に角度を振って配置されることで、三角形状の小さな居場所がつくられる。三角形平面は一辺を長くもつことができるので、収納や机の幅を十分に確保したり、小さいながらも広がりを生むのに効果的な形状である。入口が狭く奥に広がる囲われた書斎や、オープンで広がりのある子供のスタディスペースなど、 変化に富んだ居場所がつくられる。 リビングから東側の部分には、東西の窓をつなぐ長い廊下を通すことで、視線の広がりを最大化した。明るさを引き込むために白く塗り込まれた、風と光が通り抜ける明るい廊下である。 大きな家具と呼んでいるさまざまな形状の箱は、設備配線を覆い隠すという内装の役割も果たす。それぞれが本棚や飾り棚、AV機器やおもちゃ収納、DJブースであるだけでなく、コンセントや照明スイッチ、LANや音響機器コードなどあらゆる設備が統合されている。天井高さや面積を確保するために躯体を現して設備配管などを露出するという多くのリノベーション設計に見られる定型化した手法を避け、空間の中に独立して立ち現れる新しい内装のかたちを目指した。「躯体-内装-空間」という順序から「躯体-空間-内装」への転換である。建物を構成する秩序を反転させると同時に見出される、一人ひとりの居場所にフォーカスした暮らしの風景を目指した。
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