九州大学バイオフードラボ

ビルディングタイプ
研究施設
2
181
日本 福岡県

PROJECT MEMBER

DATA

CREDIT

  • 設計
    九州大学岩元真明研究室+ICADA、照明デザイン:モデュレックス福岡事務所
  • 担当者
    岩元真明、大村美波、近藤まい子
  • 施工
    イクスワークス
  • 撮影
    八代写真事務所

九州大学バイオフードラボは、急速に一般化が進むバイオテクノロジーの可能性をデザインの観点から探る「バイオラボ」と、未来の食デザインを考える研究拠点「フードラボ」を一体的に整備する計画である。バイオラボは遺伝子解析装置と画像解析装置を備え、遺伝子組換え体を扱う際の安全基準(P1)を満たす本格的な研究施設であり、生物学者や遺伝学者、メディアアーティストといった異分野の研究者によって共同運営される。 築50年の旧学生食堂の厨房のリノベーションであり、初めて現地を訪れた時、天井を這い回るダクトの存在感に圧倒された。厨房という当初の機能を失うと、ダクトとレンジフードの複雑な造形は彫刻のようにも見えた。学生の空腹を満たしてきた食堂の記憶の媒介者として、これらを残すのも面白いのではないかと思った。そこで、既存のダクトとレンジフードを改造して収納・照明の機能を与える「ダクトのリノベーション」をコンセプトとして設計した。 まず、八つあった巨大なレンジフードを四つに減らして、空間に疎密をつくった。レンジフードを取り外した部分には、内部が収納になった特注の「ダクト家具」をつなげた。残されたレンジフードの内部には照明を仕込み、実験器具を照らす空間的な装置に変えた。アンビエント照明はマグネット式のスポットライトであり、鉄製のダクトにくっつき、使用者が自由に位置を変えることができる。更に、既存ダクトから棚を吊り下げ、その下に実験台と実験流しを配置した。このように新たな実験設備を既存ダクトと関連付けて配置することによって、抑揚のある一室空間がつくり出された。

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物件所在地

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