清澄長屋

ビルディングタイプ
戸建住宅

DATA

CREDIT

  • 設計
    note architects
  • 施工
    岩木屋木工
  • 撮影
    河田弘樹

岩崎家の旧庭園に沿って建つ長屋の改修計画。 明治時代から変わらない庭園の景色が眼前に広がる、築100年の長屋である。 窓から見える、決して広いとは言えない緑を、部屋のどこにいても享受できるような住宅にしたいと考えた。 単に窓を広げることは現実的ではなく、目の前の環境を部屋中に充満させるような設えを考えた。 まず部屋を分断していた階段室の壁を取り払い、キッチンを中心とした大きなワンルームとした。 交通量の多い表通側と、静かな庭園側と性格の異なる場所が生まれた。 躯体の仕上げは、緑が映えるように補色関係にある赤を少しだけ入れた塗装とした。 光の当たり方、視線の角度により白にも薄赤にもベージュにも変化する、揺らぎのある空間となった。 庭園側の床、キッチンやレンジフードは艶のある素材を選択し、反射により緑を奥まで引き込んだ。 またTVの背面を磁器質タイルとし、艶を補充している。 繰り返される増築により、自然から切り離された生活を開放し、都会と自然の間にある環境が活かされた住まいとなった。

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