
DATA
- ビルディングタイプ
- 共同住宅・集合住宅・寮
- 工事種別
- リノベーション
- 延べ床面積
- 86.12㎡
- 竣工
- 2021-02
CREDIT
- 設計
- studio anettai、家具・照明サプライヤ:nanoHome、テラゾー床デザイン:Picasso Terrazzo、オリジナル木製家具デザイン:Vu Hoang Anh、ファブリックデザイン:Lam Weaving space
- 担当者
- 山田貴仁、犬童伸浩
ベトナム・ホーチミン市内の高層アパートの一室のリノベーション。 デンマークの家具ブランド<フリッツハンセン>を中心に、セレクトされた家具や照明器具を体験しながら宿泊できる住居兼滞在型ショールームです。 平面に配置された5つの円形のカラフルな床は、エントランス、リビング、ダイニング、スタディ、ベッドエリアに置かれた家具のためのショーステージとなります。 各エリアの隙間には、異形のツリーポットがぐにゃりと立ち上がり、トロピカルな植栽が開放的なワンルームをゆるやかに分節しています。 <南国らしいショールーム> クライアントによって選定された数々の家具の写真を眺めていると、それぞれが北欧のモダンインテリアはもちろん、雑多な廃墟や屋外空間、日本家屋に置いてもしっくりとくる普遍的なデザインだと改めて気づきます。 であるならばこのショールームも、美術館のようなホワイトキューブとするのではなく、緑豊かな空間に家具がそっと置かれているような、南国ベトナムらしい在り方が模索されるべきだろうと考えました。 <創造的な他者> 空間を特徴づけるテラゾー床は、調色、石材の寸法、ディテールまでを地元の専門業者とともに検討しました。端部のユニークな立ち上がりは巾木を代替するとともに、エッジのない浮遊感を空間にもたらしています。 同じように、空間に合わせて製作された作り付けの木製家具、既存の大きな窓と寝室を覆う円形の長大なカーテンなども、地元出身の若きデザイナーたちに監修を依頼しました。 ”創造的な他者”を介入させることで、私たち+カタログだけでは生まれない、設計の外から生まれる設計をしたいと常々考えています。 <共存する空間> 完成されたモダンな輸入プロダクト、単純な図形を用いた平面計画といった、ある種インターナショナル・スタイルともいえる出発点からプロジェクトは始まりました。そこに多様なデザイナーや職人の手仕事、南国の力強い植物など、ここでしか起こりえない物事を介入させ、両者が対立するのではなく、無理なく共存するような空間を目指しました。