築100年の住宅改修

ビルディングタイプ
戸建住宅
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中華人民共和国 Shang Hai Shi

DATA

CREDIT

  • 設計
    Uchida Shanghai
  • 担当者
    庄司光宏、金子雅人、施露宇
  • 撮影
    eiichi kano

上海・愚園路にある築100年の住宅改修 上海の愚園路に位置する築100年の長屋形式の住宅の改修である。 近年この界隈は老房子(古い家)を改修したカフェやアパレルが目立ち若者を中心に注目されているエリアである。この住宅はそんな賑やかな通りから小区に入った落ち着いた場所に存在する。 元々イギリス租界であった雰囲気は街区に少し残っているが住宅自体は長い年月様々な住人に無造作に改築された状態であった。 南側部分と中央光庭部分の床面積確保のため増築された部分を元に戻し、薄暗い階段室を光あふれる生活の中心に出来ないかと設計を開始した。 南側と北側の居室にはもともとスキップフロアの段差があり居室自体も連続できるのではないかと階段スタディを重ねた結果変則螺旋階段の案を採用することにした。 鉄板の螺旋階段の構造体は10mmの鉄板の曲げで構成されていて工場で3分割で制作し搬入後現場溶接と現場塗装で連続する鉄板の意匠を実現した。 固定に関しては鉄骨の補強を壁面内に設置し隠蔽、階段の浮遊感を無くさないよう心がけた。 階段室はトップライトと東側のガラスブロックからの自然採光により日常に光の変化を届ける重要なヴォイドであり部屋から部屋へと移動する際の分岐点である。 家具には炭化した19mmの竹集成材と3mm鉄板の組み合わせを基本とし古材フローリングとのコントラストを狙い新しさの中にもニュアンスを表現したかった。 施主のアートコレクションが映えるよう壁面はトーンを抑えたモルタル塗装で仕上げた。 巾木は15mm x 15mmのLアングル、スイッチは真鍮のトグルスイッチを使用などディテールはミニマム過ぎず素材感を重要視した。 この住宅の中での力強さと繊細さは新しく導入された螺旋階段によって生活に還元されていくだろう。

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物件所在地

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