
PROJECT MEMBER
歯科技工所 = 技工士たちのオフィス空間である。 施主はこの歯科技工所をみた人たちが「こんなところで働いてみたい」と思えるような空間にしたいという思いを持っており、技工士たちがまるでカフェでくつろいでいるかのように働ける、居心地の良い空間づくりを行なった。 歯科技工スペースは機能面を十分考慮した上で簡素な作りとし、打ち合わせスペースや軽作業スペースをオープンにすることで、コミュニケーションの場として機能するようにしている。 壁はコンパネを染色したものとすることで心地の良い温かみのある空間とし、またラワン合板で造作した大型の曲線カウンターテーブルや円卓たちが、働く人々を緩やかにつなぐ役割を果たしている。 歯科技工所 = 歯をつくるファクトリーと考える。 歯科技工所は「ものづくり」の場所であるということに設計の重点を置き、楽しくものづくりがおこなわれるような空間づくりを行なった。 テナントは天井が低く、厚く太いコンクリート梁が特徴的な圧迫感のある空間であった。 そこで圧迫感を軽減する為、天井仕上げ材である石膏ボードを撤去し、軽量鉄骨下地のみとし空間に開放感をもたせた。 天井を開放することで、本来隠蔽されているはずの軽量鉄骨下地や断熱材が素地で見え、コンクリート素地の柱や梁と共に空間に工場(=ファクトリー)のような無骨な印象を与えることとなった。 カフェのような温かみのある部分と、無骨な部分が共存することで、心地よいオフィス空間、かつ楽しく作業ができる「ファクトリー」となり、この歯科技工所が技工士にとって自分たちの拠り所となる場所になることを目指した。