軽井沢プリンスホテル ウエスト_レストラン棟

ビルディングタイプ
ホテル

DATA

CREDIT

  • 設計
    KKS+スコア株式会社
  • 担当者
    北村幸治(KKS)、高野めぐみ(KKS)、根岸大樹(KKS)、中川大輔(スコア)、原井順子(スコア)
  • 施工
    北野建設株式会社、 西武建設株式会社(日本料理からまつのみ)
  • 構造設計
    織本構造設計
  • 撮影
    千葉正人、 株式会社フォワードストローク 奥村浩司(日本料理からまつのみ)

プリンスグランドリゾート軽井沢はこれからの100年を見据え、「Nature Link-自然につながる、自然とつながる」をグランドコンセプトに機能整理・拡大を行った。その一環として軽井沢プリンスホテル ウエストのレストラン棟は新設された。 2階のオールデイダイニングは『軽井沢リゾートの四季』をインテリアコンセプトにしている。約300席ある空間を、開口のある古材木パーティションとガラスパーティションで緩やかに3つのエリアに分け、各エリアのテーマを「春」「夏」「秋冬」とし、統一感を持たせながら緩やかにカラースキムが変化する大らかな空間となるよう計画した。窓際の席からテラス席に続く木天井は、内外の境界を曖昧にし、インテリアが自然(外部)と繋がる気持ち良いしつらえとなっている。個室のアートは、計画の為やむなく伐採された栗の木を使用した。この木は100年以上この地を見守ってきたシンボルツリーであった。その年輪を版画の技法で刷ることで栗の木はオリジナルアートへ形を変え、これから先もお客様を出迎える象徴となるよう計画した。 1階の中国料理レストランは『軽井沢の大地』をインテリアコンセプトにしている。レストラン中央にはショーキッチンカウンターがあり、割肌の自然石を採用することで大地の力強さを表現した。アルミキャスト格子の柄は中華格子をモチーフにして幾何学模様で軽井沢の花々を表現している。各エリアのメイン壁面には刺繍アートを設置した。この刺繍アートは中国の伝統的な刺繍技法で製作され、原画は江戸時代の日本の絵師の作品を用いた。自然石、金属、ブラックウォールナットの重厚感と繊細で華やかな刺繍アートとの対比が互いを強調し軽井沢の魅力を伝えている。 ホテルの離れに移設リニューアルした日本料理からまつは、軽井沢に宿るエッセンス抽出し丁寧に落し込んだ構成とした。 かつての木曽街道軽井沢宿を想起させる竈、既存建築が有する力強い梁空間、山間に沈む夕陽が染める空の色、この土地が有する記憶と現在が重なり合い豊穣な食材と繋がる空間を目指した。

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