
駒沢に建つ築30年のビルの7階に入居する芸能プロダクションのリノベーション計画。 フラットで均質な既存のオフィス空間を、多様なアクティビティに対応可能なワークスペースにリノベーションすることが求められた。 ワンルーム空間の中に多様な場所をつくる手立てとして、フロアを東西に大きく分ける境界面を想定し、その面を境に従業員のワークスペースと、ゲストも使用するパブリックなスペースにゾーニングを行った。2つの領域には、使用する素材や色、床高と天井高さに変化を与え、対比的な空間として設えた。 2つの領域は境界面上に設置された高さ1.8mの書棚によって緩やかに分節され、縦横に設けられた抜けのある通りによって、従業員はスペース全体を自由に回遊することが可能である。 ワークスペースの中央には6名分の固定席テーブルと最大8名が使用できるフリーアドレスの大テーブルを設置し、業務だけでなく、時には人々が集まってパーティも行える、多目的に利用できる場所とした。 木質化された内装と深緑色に塗り込められたスケルトン天井は、窓の外に広がる駒沢公園の自然との連続性が意識され、室内空間でありながらも都市の自然を感じられるような、バイオフィリックなワークスペースの創出を目指した。