
大阪・北新地、ビルの2階に「お料理山田」はある。 カウンター8席のみのコンパクトな店内だが、至極の日本料理が堪能できるレストランである。 店内は、厨房含め約13坪と決して広い空間ではないため、狭さを感じさせないよう、さりげなく「奥を感じる」空間計画とした。 特に配慮したのが、空間の構成と照明計画、適材適所へのこだわった素材の配置。 できる限り空間を建具で区切らない、壁を天井までつくらない、必要な場所のみ光。シンプルではあるが、奥を感じる要素となっている。 また、素材に配慮することで、奥への期待感を感じるようにしている。 エレベータを降りると印象的な看板と、床に埋込んだ大谷石。 そこから、和紙をあしらった柔らかな壁を横目に、日本の土で焼き上げたタイルの壁と、そこに嵌る古い建具。さらに、進んでいくと、無垢材のサペリ一枚板を使ったL字型のカウンター空間と、奥に広がるオープンな厨房。厨房には、マホガニーを使った特注の盛り付け台が、柔らかな光で浮かび上がる。 お手洗いへ行く建具にも古い建具を用いて、あえて障子戸にすることで奥を感じさせてくれる。 空間構成と必要最低限の照明計画、適材適所へのこだわりの素材、コンパクトながらも上質で、落ち着く、「奥を感じる」空間となっている。
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