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舞台としての削りの空間 かき氷は日本において昔から愛されている夏の風物詩である。近年、食材や氷の産地や削り方等にこだわった高級なかき氷が季節を問わず人気を博しており、本計画ではそうしたプレミアムなかき氷を提供する場として、和の趣を残しつつも現代性を感じさせる洗練された空間が求められた。 四角い氷の塊を、かき氷職人が専用の機械を使って回転させ、削り、形を整え、美しいかき氷として仕上げていく。そのプロセスを客が席から見て楽しむことができるよう、舞台としての大テーブルを空間の中心に据えた。氷削り機の回転軸を中心としてフロアに複数の円を描き、その円を補助線に天井、床、家具、照明等の形状や配置を決めてゆく。そのようにすることで、かき氷職人が氷を削っている場所を中心として、様々なエレメントが旋回し、空間が放射状に削られているかのような状況が生まれ、求心性と包容感のある空間がつくり出される。