蒲田G邸

ビルディングタイプ
戸建住宅

DATA

CREDIT

  • 設計
    ラーバンデザインオフィス+都市環境研究所
  • 担当者
    雨宮知彦(ラーバンデザインオフィス)、土橋悟(都市環境研究所)
  • 構造設計
    遠藤俊貴(EQSD 一級建築士事務所)
  • 撮影
    堀田貞雄

3世代目の改修 都心部の密集住宅地に建つ木造2階建て住宅の改修計画である。1957年に平屋が初築され、その後1975年に2階が増築されたものが既存建物であった。今回は3世代目の大きな改修である。 すべてのものは不常であり、流れ続けている。モノやヒトには固有の時間=寿命と、それに応じた再生産のサイクルが存在し、生態系を構成している。リノベーションの設計では、建築には既存の物質やそこに住んでいた人の歴史の蓄積があること、そして新たに何かを付加した瞬間にそれすらも「既存」となるという当たり前の事実に気づかされる。そうやって生態系のひとつの時間断面として「既存」をとらえれば、リノベーションの「設計」は何か決定的な論理で既存を上書きするのではなく、時間軸上のモノの「調整」作業となるだろう。私たちは、日々の物質の循環、そこに住まう人の代替わりなど、この場所を通過するモノ・コトの流れと滞留を思考して、時間に対し開かれた家を設計することを目指した。 時間の混在した空間性の獲得 今回の3世代目の改修では、既存/増築のような時間軸上の境界を表現するのではなく、物質や構法の境界を意図的にずらすことで、「設計」行為がもってしまう切断性を曖昧にしていくことを考えた。たとえば、真壁/大壁という構法には、リノベーションにおける新旧の対比表現が転写されがちだが、その使い分けと既存/増築の境界をずらし、あるいは反転することで、時間の混在した、日常的でありながら豊かな空間となることを意図している。 今後の生活でモノが自由に配置されることを期待する一方、それが生活環境の悪化を招いてしまっては本末転倒である。そこで、後の生活や空間の再編集に対する空間的な骨格となることを意図し、光の入り方に応答した抽象的な空間として中央に開けられた半間の吹抜けを挿入した。トップライトからの光が住宅全体に行き渡り、時々刻々と変化する光が内部空間の様相を変え る。光や風といった環境条件は100年後も変わらない信頼できる「流れ」であり、住まい手の生活の確かなベースとしてこの住宅を支え続けてくれるだろう。 建主夫婦の子が将来4世代目の改修をするかもしれない。未来の可能性に開かれた改修のあり方を考えた住宅である。

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物件所在地

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