田中屋分店

ビルディングタイプ
アパレル・雑貨

DATA

CREDIT

  • 設計
    平成住建 外構・造園:雲の庭 電気設備:松電
  • 担当者
    西尾豊樹、舩木隆之、三原洋治(雲の庭)
  • 施工
    笹子造船所、舩木建築
  • 撮影
    宮脇洸太

出雲大社の正門前に店を構える「そば処 田中屋」による蕎麦関連のお土産販売を中心とした新店舗の計画である。 そば処 田中屋は、平成9年(1997年)、二代目が手打ちそば専門店として営業する以前、昭和47年(1972年)に初代が「レストランたなかや」として仕出しや宴会、お土産販売店を営んでいた。また同時期に本店舗とは別の場所に、「田中屋分店」という名称で、親戚の別経営者によってお土産販売店を営んでいた。 今回の新店舗の名称として、同じ物品販売の用途を有する「田中屋分店」を復活させ、店名の文字フォントも当時の写真から再現をしている。 建物は築50年以上経過した木造平屋建て、延床面積90㎡ほどの小さな民家の改修を行った。 主な用途であるお土産販売スペースは、外部から土足のままで利用できるように既存の和室、縁側部分を土間へと変化させ、床の間のある和室一部屋は来店客の休憩スペースとしてそのまま残している。既存建物が小さいため、既存の内部間仕切壁や、天井、床を部分的に撤去することで、店舗内部は半屋外的な一室空間としている。 壁となる部分には新たに耐震壁を設置し、耐震性の向上を図った。 お土産販売スペースには、水栓とIHヒーターを取付けたキッチンテーブルを配置し、またこのキッチンテーブルは床の間のある和室のテーブルと繋げてL字のテーブルとなるように配置している。狭い内部空間を最大限活用し、お土産販売だけでないく、ワークショップ等の様々な使われ方に対応できるようにそれぞれの内部用途が絡み合うよう配置している。 また、蕎麦に特化した店舗であるため、蕎麦の要素を取り入れたエレメントをいくつか盛り込んでいる。レジカウンター後ろの壁は蕎麦殻をポリカのツインカーボの隙間に流し込み、取付けている。その他にも古くなった蕎麦を入れる「割子」と呼ばれる丸い器を照明器具と組み合わせたものや、同じく器をレジカウンター天板に敷き詰めたものなどがある。

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