狭山の家

ビルディングタイプ
戸建住宅

DATA

CREDIT

  • 設計
    丸山弾建築設計事務所 家具工事:RILNO、田中工藝 造園:en景観設計
  • 担当者
    丸山弾、鈴木雪乃
  • 施工
    幹建設
  • 撮影
    丸山弾

 庭のある暮らしを求めて。ただ眺めるだけの庭に留まらず、庭に出て、土に触れ、緑の下で過ごすために、室内と庭の距離感や庭への出入りの方法から考えはじめました。  前面道路に面して庭をつくると通り行く人の気配が気になり、外へ出ない庭になってしまうので、脇道に面して庭を設けて、コの字型の建物で囲うことで、プライベートな庭をつくりました。中庭に対して、各部屋の窓を向けることで、内と外が開放的につながります。  玄関からリビングまで土間続きとし、日常的に庭に出入りできるようにしました。リビングの天井は高くとり、庭の開放的な雰囲気を取り入れつつ、開口部の高さを抑えたり、渡り廊下の下にソファーコーナーを設けることで、落ち着き感のある場所もしつらえています。  リビングからステップを上がるとダイニングに入ります。ダイニングの窓は出窓にして腰掛けられるようにすることで、窓辺にひとの気配をつくり、キッチンやダイニングの賑わいの輪を広げました。またダイニングの廻りには水廻りを並べて、家事動線をまとめることで、共働きの忙しい日常に対応しています。  ダイニングの脇にある階段を上ると、動線が分かれて、右手に曲がると子ども室や寝室があり、まっすぐ進むと渡り廊下があり、その先にゲストルームになる和室があります。渡り廊下には書棚やソファが置かれており、将来的にはスタディコーナーにもなり、家族の居場所として使われます。そして吹き抜けを介して、リビングやダイニングにひとの気配を伝えるとともに、冬にはリビングの土間に蓄熱された床暖房が渡り廊下を通して、二階に広まっていきます。  庭とリビングがつながり、リビングから各居場所にも空間がつながっていき、庭の気配やひとの気配を伝えていきます。

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