桃仙閣 東京は、人々で賑わう東京・六本木のビル地下１階にある中国料理レストランである。 さりげない上質さと、あたかも昔から存在していたかのような、どこか懐かしさを感じる空間をコンセプトとしている。 空間計画は、奥に長い形状を活かし、ホール席・カウンター席・個室をバランスよく配置して、単調にならないようにレイアウト。特に、個室空間を多くつくり、可動間仕切りを設けることによって、様々な人数にも対応できるように計画した。単調にならないように、仕上げや照明計画にも心地よい変化をつけることを意識している。 内装の仕上げは素材感を大切にし、中国の四合院を思わせるような重厚さと、凛とした佇まいの上質さを感じられるように意識した。 エントランスは、日本の土で造り出したハンドメイドタイルを床と壁に使い、古材に掘り込まれたサインが訪れた人々の期待感を高める。 店内に入ると、落ち着きある色味と木目を持つウォールナット材と、自然な色合いとやわらかな素材感を持つ珪藻土の壁で、さりげなく上質な空間をつくっている。また、敢えて身近で汎用性のあるコンクリートブロックをさりげなく混在させることによって、上質な空間の中にも、親近感・懐かしさを覚える。 使用する素材の調和と対比を意識しながら計画した空間は、上質な佇まいを持ちながらも、どこか懐かしさを感じる、心地の良いレストランに仕上がっている。