甲州の家

ビルディングタイプ
戸建住宅

DATA

CREDIT

  • 設計
    樋口善信建築計画事務所
  • 施工
    株式会社SHOEI
  • 構造設計
    吉田一成構造設計室
  • 撮影
    山田新治郎写真研究室

敷地は甲州民家が建ち並ぶ集落にある。周辺には桃農園が拡がり、建て主も家業の桃農園を継ぐためにこの地に家を建てた。 周辺の家並に呼応するような家型をしている。その屋根は2階をすっぽり覆い、空気層の鎧をまとった形とし、日照時間の長いこの地域から生活空間を守るよう計画した。 1階は、農作業の休憩や、集落の集まりにも使えるよう土間を配し、ダイニングキッチンと連続させた。1階より半階上がり踊り場のようなリビングを設け、そこから2階へと連続するように計画し、家型がそのまま室内空間を形づくっている。2階は、オープンなワンルームであり、家具などでそれぞれのスペースを形成している。 全体は、完全なワンヴォリュームの空間であり、昔の屋根裏における蚕部屋のイメージを継承した。 空気環境としては、このワンヴォリュームの空間を最大限生かすべく、土間に設けた薪ストーブの熱気が家中に循環するよう各所に開閉窓を設けた。トップライト以外は控えめな開口とし風通しを第一に考慮した計画としている。それによって、真夏の季節であっても、洞窟のような冷房いらずの空間になっていて、つかの間の農作業の休憩の際も落ち着いた室内空間になった。 この家を建てる前に、先代の家族がほぼ手作りの築80年の民家が建っていた。解体の際に、大梁や丁寧に作られた建具を保存し、2階のつなぎ梁やお母様の部屋のふすまへ再利用し、これまでの記憶を橋渡ししたつもりでいる。

物件所在地