Hostel anettai

ビルディングタイプ
ホテル
4
192
ベトナム Hồ Chí Minh

DATA

CREDIT

  • 設計
    Studio anettai
  • 担当者
    山田貴仁、犬童伸浩、 Le Viet Minh Quoc
  • 施工
    Hoang My Saigon
  • 撮影
    Nguyen Son Tung / Studio anettai

ベトナム・ホーチミン市内に位置する典型的なフレンチ・コロニアル風ヴィラを、設計者自らが施主となり、ホステルへと転用したプロジェクトである。投資、設計監理、サイン計画、経営広報にいたるまで、運営に関わる全てのプロセスに設計者が関わることで、包括的なブランディングを行った。 限られた投資額で最大限の効果を狙うため、遮光とプライバシーのため必要となるカーテンを仕上材として徹底的に用いることとした。これに加え照明、最低限の家具(2段ベッドは既存のもの)、建具と設備などを含め、総工費は約100USD/m2に抑えられている。 延べ500m2にもなるカーテンは、窓周りの使い古されたエレメントではなく、光を調停することで空間を定義する存在として扱われている。半透過性のカーテンを、ベッドから部屋の外周部へかけて二重にかけることで、部屋の中に異なる光環境のグラデーションを作りだしている。カーテンは直後に光源があれば透過し、そうでなければ透過しない性質のものを選定した。日中は柔らかく自然光を受け入れ、夜間は室内の光源を反射し幻想的に闇に浮かび上がる。 一方で熱帯植物で覆われたバルコニーには燦々と陽が差し、影の深い内部空間と相補的な関係にある。ドレープのような幾何学を用い、ステンレスワイヤーを二方向にかけ渡し編み込むことで、仮想の壁・天井面を作り出した。ワイヤーは植生を纏うことで、時間とともにグリーン・カーテンを形成していくことを期待している。 近年観光客の急増するベトナムでは、先進国を模した小綺麗なシティホテルが乱立している。一見クリーンなそれらは、紋切り型の空間と画一的な体験を提供している。 “Hostel anettai”では、ベトナムの強烈な光と影を空間に内包し、南国にふさわしい宿泊体験を提供することを目指した。

物件所在地

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