たべごと屋 ゆかり

ビルディングタイプ
レストラン
4
217
日本 兵庫県

DATA

CREDIT

  • 設計
    pilot architects.
  • 撮影
    pilot architects.

姫路市内の病院で長年務めた栄養士と看護師による、地域医療に対する新しい試み。 計画地は典型的な過疎化と高齢化が進む地域、抱える問題は食と医療だった。 オーナーは生まれ育ったまちに対して、何か貢献をしたいという想いで弁当と焼菓子の店を開店する。 この店では店舗販売も行うが、地域の高齢者家庭に対して食の配達を行うことを考えた。言わば「看護師が回診し栄養管理された食を届ける」というコンセプトの店。 もちろん具体的な医療行為を行うわけではないが、看護師との気軽な接点があることは地域にとってプラスのはずで、その拠点としての建築を考えた。 敷地周辺に目を向けると、半世紀程前に(あるいはそれ以前に)建てられたであろう杉板張り+漆喰の壁の建物が点在し、大半が現代的なサイディング材に家に置換されつつあった。もう少し詳細を眺めると、寺社仏閣や祭りで使う屋台小屋(播州における屋台とは出店でなく、祭りでつかう山車のこと。)など、重要なコミュニティの拠点が杉板張りや漆喰塗りの建物として残されていた。 そこで、外壁には杉の焼き板を採用し、地域拠点としての主張とミニマムなフォルムとディテールによって店舗としての主張をする外観とした。 店内売場は一坪ほどの広さだが、オーナーの希望と人柄から合板貼り+クリアオイルとし、暖かみのあるデザインとし、吹抜け空間とすることで広さを感じる売場とした。 店に隣接して青天井のバス停(30分に1本程度)があるが、店先にテラスを設けバス利用者が気軽に寄れる店構えとした。

物件所在地

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