雨やどりの家

ビルディングタイプ
戸建住宅
1
176
日本 鳥取県

DATA

CREDIT

  • 設計
    株式会社 y+M design office
  • 担当者
    三宅正浩 + 吉本英正
  • 施工
    株式会社 平田組 (ASJ米子スタジオ)
  • 撮影
    笹の倉舎/笹倉洋平

建築地は山陰の米子市、国立公園大山の麓である。1年を通して雨が多いこの地域は、冬は冷たい北西風が吹きつけ、多雪地域でもある。また西側に対して高台になっているこの敷地は、景色がひらけるかわりに強烈な西日を浴びる。そんな特徴的な敷地に夫婦と子供2人、新たに同居する奥様の母親の5人が住む住宅を計画した。 適度な家族間のプライバシーを確保しつつ、夜勤のあるクライアントが家族の雑音を気にせず睡眠できる環境を実現するために、各部屋を分棟形式とすることでほどよい距離感を保っている。この分棟形式の各「イエ」の上に、通年の雨、冬の雪や北西風、夏の西日に対するバッファーとして地面から伸びる切妻の折板屋根をかけた。同時にこの大屋根は近隣住宅からのプライバシー確保にも貢献する。また、大きく南側と西側に張出した大屋根により、太陽高度の高い夏期は直射日光を遮り、通風を確保することで涼しく快適な住空間となる。 この大屋根はバラバラに分棟された家族の「イエ」を包み込むことで、家族間のつながりが感じられるだけでなく、住人は「イエ」から屋外のようなリビングに出てくることで、プライバシーが守られつつ開放的な空間を共有することができる。リビングはテラスと同素材の土間仕上げとし、空間に広がりと奥行きを持たせ、壁の仕上げはそれぞれの家型ボリュームの外壁材となっている。これにより、家の中にいながら「外部」と「内部」をより強く感じることができる計画となっている。

物件所在地

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