久保動物病院

ビルディングタイプ
医療施設
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日本 香川県

DATA

CREDIT

  • 設計
    長田慶太建築要素
  • 施工
    株式会社 植原建設
  • 構造設計
    株式会社 川田知典構造設計
  • 撮影
    福家 大介 (福家スタジオ)

香川県まんのう町。金毘羅さんの麓。                                            旧街道沿いの一段下がった敷地に移転計画された動物病院。 1mほど下がった敷地にたいし、造成するのではなく、そのまま建築を配置し、建築自身で敷地内と道路の高低差を緩やかに繋いでいく。また二車線の広くはない道路にたいし施設の規模、性質上どうしても立ち上がる開口の少ない大きな壁面の高さを抑えるため、地面の連続の中に埋めた。 盛土に育つ草花の向こうに…空が開かれている。 訪れる人々…動物たちは少なからず不安を抱えていることだろう。だからこそ、どこか感覚の中に根付く居場所のような…地面の連続から派生し、山やほら穴あるいは巣、森のようで「棲処(すみか)」のような…やわらかくおおらかな街の中の隙間となるよう。 土に接する壁面の耐水処理を考慮しつつも、密閉性を必要とする諸室をRC造のL型の平面にまとめ、応力を集中させながら、そのRC躯体に軽い木造のおおらかな屋根を寄り添わせ、空間の拡張と差別化をはかっている。 室内環境としての密閉性と開放性、病院機能としての密室性と寛容性といった内部の空間の質の違いが構造の違いとなり、それが道路側、エントランス側それぞれ表情としてあらわれ、地面と連続した山のような、そして木々が層状に立ち並んだ森のように表情を変えながら、街にたいし、方向性なく伸びやかで開かれた動物病院となることを目指した。

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物件所在地

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