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「三輪 湯河原」は有数の温泉地、湯河原にある全17室の小さなホテル旅館です。静かな森に囲まれ、土地が持つ豊かさ、刻々と移り変わる自然の表情、時間の変化を取り込む建築と自然との一体感がコンセプトです。 黒いファサードは山の稜線に沿わせて左右に低く広がり、金のエントランスは朝日や夕日で光が浮かび上がるように特殊左官材で仕上げました。 インテリアは大きな開口部を設けることで、外の風景が内へと続き、昼から夕方、そして夜へと刻々と移り変わる光の表情を感じることのできるような空間を目指しました。 ロビーでは天井からの水滴が水盤に当たると光の波紋によってゆらぎが生まれ、小さな水音が静かな時間をより高めています。最上階のレストランは山の稜線や四季折々の移り変わりを一望でき、天井のシルクの布によるインスタレーションは、背景の山と呼応するかのように配置され、風が吹くたびに波のように優しく揺れます。客室のテラスには 自然の移ろいをとらえるようにバスタブを設置しています。家具や内装には手触りが良い素材を採用し、景色に寄り添った素の美しさが引き立つ構成にしました。