グローバルハブスクエア

コロナの流行によってワークスタイルは大きく変わった。 クライアントは、これまで本社を置いていた東京を離れ、都心から片道４時間以上かかる離島に本社を移すことを決めた。我々はその建築の設計を担当した。 彼らが選んだ敷地は周囲にオフォスや商店が一軒も無い森の中のである。 そこは新鮮な空気と鳥の囀りと海風に包まれたのどかな場所だ。満員電車も交通渋滞も存在しない。 クライアントが我々に要求したのは大きな開口部を有し、周囲の景観と自然光と風をふんだんに取り込めること。そして、社員が地元の食材で健康的な食事を楽しめるように大きな社食を有すること。この社食は地域の方々にも解放され、地元住民のコミュニティの場にもなっている。 この建物が置かれている島は、日本の神話で神が最初期に創造したとされる島で、この島を創造した神は晩年、このエリアに居住したと言われている。おそらく神の居住に相応しい神殿があったものと思われる。我々はもともとこの地にあったであろう神の神殿をイメージしながらデザインを行った。優雅なアーチを連ね、中央には天につながる階段を配し、この地の魅力的な景色を一望できる展望台を設けている。