
PROJECT MEMBER
株式会社ウネプロは、沖縄県沖縄市に店舗を構える創業50年の自動車整備・販売店である。創業当時は、自動車の整備や修理を中心に稼働していたが、時代の変化に合わせ事業展開するにあたり、自動車整備工場を優先に建築されていた旧事務所の道向かいにお客様がゆったり寛ぎながら商談できるラウンジスペースを中心とした新事務所を建設した。 地域に根差し、自動車を通して末永くお客様と繋がる企業を目指して、自社のカラーを出しながらも、これからの時代も長く愛される普遍的なデザインを念頭に計画を進めていった。 打ち合わせを重ねていく中で、自動車整備工場としてのインダストリアル感を出しながらも、無機質な空間になり過ぎないようにする為に、コンクリート、鉄骨、ガラス、木材、煉瓦をシンプルに組み合わせたデザインに辿り着いた。ファサードは、大小の2つのコンクリートの箱に鉄骨の大屋根を架けたシンプルなデザイン。高さをお朝えた小さなコンクリートの箱にかかった鉄骨造の大屋根は、敢えて骨組みを現すことで、ダイナミックなボリュームを出しつつ、壁面を煉瓦仕上げとすることで鉄骨の露骨さを抑えた。高さのあるコンクリートの箱は、前面にガラス面を大きくとり、ダークグレーのベルアート塗装でシンプルに仕上げた。強い色味を使いながらも素材やボリュームでメリハリをつけ、どこか上品で纏まりのあるアーバンテイストなファサードデザインに仕上げた。内部空間は、お客様がゆったりと寛げるよう天井高さ4.1Mで広々とシンプルな空間に。スラブ面や壁面のコンクリート打ち放しは、普通型枠仕上とする事で、コンクリートが持つ自然な風合いと陰影を生み出すように。受付カウンターは、シンプルな木カウンターで仕上げているが、帯鋸目加工を施すことで、素材感を出し、使い古したようなアンティークの質感に仕上げた。 トイレや事務スペースの入り口の扉のハンドルは、スパナを使ったオリジナルハンドルを製作し、創業当時の歴史を思い立たせながらも遊び心をプラス。このように、内外共にそれぞれの素材感が出す表情を最大限に引き立つようなデザインを心がけた。建築を通して長きに渡り暮らしに寄り添い使い続けられてきた素材を店舗とリンクさせながらデザインを行うことで、時代と共に更なる歴史をつくり、新しい技術や価値観を生み出しながら、長く愛される企業になって欲しいという想いを込めた。