
立地の周辺は、飲食店や物販店が多数軒を連ねる地域の繁華街。 計画テナントは南北に走る「コイン通り」と呼ばれる道路の東側に位置し、道路の向かいには通りの名称の由来となる造幣局が広大な敷地に建つ。道路は片側1車線の2車線道路だが、歩道が広く向かいの造幣局の手前に小川を挟むため、前面に開放感があり、明るく視認性の良い立地であった。 その反面、強い西日が容赦なく入り込むため、美容院として成立させるにはこの西日をどのように対処するかが課題となった。一見、カフェのような店舗前面に設けられたカウンターは、待合スペースとネイル作業スペースを兼ねたものである。人を店舗の前面に配置することで、緊張を与えず、表に対して開いた印象を与えるファサードとした。バックバー風のカウンター後ろの棚は、日除けとカットエリアの間仕切りを兼ね、カット中の顧客のプライバシーをしっかりと守る。 店舗の前を通る人や車から自然と目に止まるような、明るい雰囲気を持ちながらも、美容院として必要な閉じた部分も確保したプランとした。