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東京都調布市にある大正時代創業100余年『ちょうちんや川口商店』 東京都調布市にある大正時代創業100余年のちょうちんや川口商店。 調布の鎮守である布田天神があるエリアで創業し、初代店主は提灯・傘張の職人として調布で商いをはじめ、提灯の他に「むしろ」「荒縄」「たわし」「ほうき」などの日常雑貨を販売する荒物屋である。 最近ではあまり見かけなくなった荒物屋だが、量販店と違って、 当たり前の暮らしの道具が並び・日常的に使いやすく・暮らしにちょうど良い物が揃う。 ●元々は商店を営みながら家族で住んでいた築30年の店舗併用住宅。 子供の成長や時代の変化で、1階店舗・2階事務所として使われてきたが、2階事務所はしばらく空きテナントとなっていた。 建物の劣化、作業効率の改善、1.2階の使い方などの問題を解決するために建替を含めた建築計画を行う事となったが、工事期間中の休業期間が長くなることが特に大きな問題となった。 長年商売をしてきたこの場所で、子育てをして店を守りたいという娘の思い、工期短縮・コスト削減の観点から、1階:店舗、2階:娘夫婦の住宅として、『職住一体型の店舗併用住宅』へとリノベーションしたものである。 100年以上続く店舗の歴史を次世代に「継承」するというキーワードを基に改修計画が始まった。 ●見守る・見守られる。人と人のつながりを育む店に。 調布で長年商売をしてきたこの場所で、子育てをして店を守りたいという娘の思いと、工期短縮・コスト削減の観点から1階:店舗、2階:娘夫婦の住宅として、『職住一体型の店舗併用住宅』に改修工事を行った。 毎朝夕、近隣さんとの「おはよう」「いってらっしゃい」「おかえり」の挨拶が日課で、地域で子供たちを見守っている。 自分が見守られて育ったように地域を見守る店舗作りを目指していきたい。 ●時間をかけて住みこなし、好きな雑貨に囲まれた空間。 竣工当時の図面・書類が無かったため役所協議を行ったうえで改修計画を行った。 既存躯体には大きな劣化は無かったが、経年劣化による建物の傾きが生じていたため、既存柱にサポート柱を抱かせてレベル調整を行い、ブレースで剛性を高める計画とした。 建替えと比べ、工事期間の短縮(約3ヵ月)と、工事費の大幅な削減が可能となった。 荒物は職人の手が生み出す日用の道具であり、まっとうな暮らしを営むなかで長い年月をかけて培われてきた手工業製品でる。 使い捨てではなく、手に馴染んだ愛着のある道具と思い出の家で、共に経年変化を楽しめる 職住一体の家を再創出することができた。