大本山永平寺 柏樹関

ビルディングタイプ
旅館

DATA

CREDIT

  • 設計
    清水建設 ライティングデザイン:ICE都市環境照明研究所 インテリアデザイン:フィールドフォー・デザインオフィス
  • 施工
    清水建設
  • 構造設計
    清水建設
  • 撮影
    SS Tokyo Co ,Ltd ,

地方創生を目指した「親禅の宿」 永平寺は福井県を代表する観光地であるが、近年参拝客が激減しそれに伴い町の賑わいが失われてきた。そこで賑わいを回復する為、福井県、永平寺町、永平寺の3者は協力・連携し、「永平寺門前の再構築プロジェクト」を立ち上げ、地方創生に取り組むこととなった。県が永平寺川の護岸整備、町が参道の再生、そして永平寺が宿泊施設「柏樹関」を整備する。建物は敷地の高低差を生かし、分節・雁行しながらボリュームを抑え、参道に沿って流れる永平寺川と、越前の山並みを借景に取り込み、自然との調和を図った。 ■伝統美の継承:玄関棟は、永平寺大庫院のイメージを踏襲した木造建築とし、エントランスホールは、伝統的な木架構を見せた開放的な空間としている。 ■禅の空間の創造:建物の中にいても山々の峰の色や谷川の響きが感じ取れることが「禅の空間」と考え、建築と自然の一体化を図った。客室はすべて永平寺川に面して設け、川のせせらぎや、山並みに触れることが出来る。また玄関棟にある「開也の間」では、禅の庭を眺めながら、坐禅や写経を体験できる。 ■陰翳礼讃:建物内部は自然光とのバランスを考慮し、陰翳を生かした照明計画としている。清らかな自然光と、廻り込む柔らかな光により、深みのある陰影を生みだし、禅の心に触れる体験を演出した。 ■地産地消:木材は永平寺杉など地元材を使用し、また越前瓦、越前焼、越前和紙、越前漆器を随所に使用するなど、地産地消により地域貢献を図った。