
PROJECT MEMBER
DATA
- ビルディングタイプ
- その他オフィス・企業施設
- 構造
- 木造
- 工事種別
- 新築
- 延べ床面積
- 119.54㎡
- 竣工
- 2020-09
CREDIT
- 設計
- Island and office
- 担当者
- 須磨一清、藤野真史(元所員)、高野遼太(元所員)、高橋孝太、吉田英志
- 施工
- Island and office、TANK、おくやま建設
- 構造設計
- 多田脩二構造設計事務所
- 撮影
- 須磨一清、太田拓実
- 設計協力者
- flat class architects
働く場と離島──自然の中に新たな繋がりをつくる 2010年より徳島県神山町のサテライトオフィスプロジェクトに従事してきた.改修により古民家に働く場をつくり,都心からの人と地場とが繋がり,新たな拠り所となる場が生まれた.過疎の村に人口増加をもたらしたこのプロジェクト以降,働く拠点の多様化を課題として設計活動を行っている. サテライトの最大の価値となるのは,都心での日常に対する転地作用と考え,その作用が大きくもアクセスのよい離島,というコンテクストに辿り着いた.2018年にIsland and officeを設立し,数社の法人会員が活用する滞在型の働く場を提供する施設を,土地の選定/取得から行い,設計,運営している.Island and office 八丈島は,その第1号店である.羽田空港より55分という利便性が選定根拠となった.2023年には熱海に次号店のオープンを予定している. 大海原を望みつつ山を背負う,原初的な人の立ち位置を喚起させるコンテクストは新たな働く拠点にふさわしく思い,敷地は海より隆起した火山の麓に位置する土地を選定した.眼前には八丈小島が位置し,水平線と自分の立ち位置との距離を測る恰好のランドスケープとなっている.敷地の山林の小径木,草の伐採は自分たちで行い,既存の樹木の合間に場を見つけていく作業がそのまま配置計画となった.斜面の掘削を最小限に抑えるため,独立基礎から床梁を持ち出し,平面をつくり,その連続からなるスキップフロアで場を構成している.内部化されなかった箇所はデッキとして残し,内外で仕事ができるようにしている.木造在来,外壁は真壁でガラスはめ込み,建物の構成を現すことで周辺の木々との呼応を図った.管理は地元の女性にゆだね,利用者には,彼女がその日採取した地域の食材を提供してもらっている.この新たな拠点を通して利用者と地場との繋がりが生まれる場づくりを目指していく. (須磨一清)