
PROJECT MEMBER
その建物は1983年の創業以来、美しい日本庭園とともに「和風別館 松濤園」として結婚式場の一角として多くの人々の人生の節目を見守ってきました。その記憶を残しつつ、新たに「SHOTOEN」という山形の旬の野菜を中心にした新しい薪火料理を提供するレストランへ生まれ変わらせるプロジェクトでした。 SHOTO(松濤)の意味は「松の梢を渡る風の音を波の音にたとえていう語」 料理のコンセプトは “eat local, feel the earth” それを踏まえた内装のデザインコンセプトは、 『The senses of Shoto and the feel of the earth』 周りの自然を最大限に生かしたレイアウトの中で、有機的であり地域に由来する自然素材や家具・アートを選定し、インテリアには、松濤を連想させる「松」や「風」のシンボルをデザインモチーフとして用いました。例えば、構造上撤去できない既存の間仕切り柱には、冬に松の木が大雪で折れないように縛るために日本で伝統的に使われている麻紐を巻いています。エントランスの暖簾には風のマークが描かれ、壁の一部には伝統的な彫刻が施されています。 また、土の漆喰や石のシャンデリア、地元の残材を使ったアートピースなど、自然でサステナブルな仕上げを施し、「地球を感じる」体験ができるようにデザインされています。 このように、美味しい食事を楽しみながら「earth」と「松濤」を五感で感じられる空間としました。 また、デザインプロセスの中ではサステナブルなデザインアプローチにこだわり、仕上素材、什器や家具は山形産もしくは国産品としフットプリントの軽減し、使われる材料もできるだけ無害であり環境負荷の少ないものを選んでいます。