
DATA
- ビルディングタイプ
- 共同住宅・集合住宅・寮
- 構造
- 木造
- 工事種別
- 新築
- 延べ床面積
- 275.47㎡
- 竣工
- 2020-08
CREDIT
- 設計
- シオ建築設計事務所
- 施工
- 山田建設
- 構造設計
- 木村佳央建築構造設計室
- 撮影
- 淺川敏
賃貸の集合住宅は、地方から出てきた大学生が大学の近くに、結婚してすぐの夫婦が家を購入するまで、単身赴任のサラリーマンが一時的に住む仮住まいのようなものである。そのため住まいを決めるとき、賃貸だからといった妥協が建物にも街にもある。 たくさんの集合住宅がある東京には、昭和から残る木造密集地がまだあり古くからの人が住んでいる。これらは道路幅員2m程度の場所に、古い木造住宅と少し傾いた古いブロック塀が建っており薄暗く少し怖い。今回、このような木造密集地でありながら少しずつ建物が入れ替わり始めた環境に、賃貸用の集合住宅を作る計画である。賃貸の集合住宅は、地方から出てきた大学生が大学の近くに、結婚してすぐの夫婦が家を購入するまで、単身赴任のサラリーマンが一時的に住む仮住まいのようなものである。そのため住まいを決めるとき、賃貸だからといった妥協が建物にも街にもある。 たくさんの集合住宅がある東京には、昭和から残る木造密集地がまだあり古くからの人が住んでいる。これらは道路幅員2m程度の場所に、古い木造住宅と少し傾いた古いブロック塀が建っており薄暗く少し怖い。今回、このような木造密集地でありながら少しずつ建物が入れ替わり始めた環境に、賃貸用の集合住宅を作る計画である。 集合住宅は、収益性から最大ヴォリュームを求められるが木造密集地には大きく、威圧感がある。これらを解消するために外観は、前面道路から建物をセットバックをすること、建物が大きく見えないようにヴォリュームを大きく二つに分節すること、3Fの外壁面をセットバックすることとした。その上で平面を雁行させることで、ファサード面のタイルと漆喰の仕上が交互に繰り返すことで、ブロック塀が道路境界ギリギリまで迫る街に表情と変化を与える。建物がセットバックすることで、太陽光が入るようになり薄暗い街が明るくなる。 内装は、集合住宅ではあまり使わない角を丸めた無垢の木の枠や、フローリングなど経年劣化を楽しめる素材を採用した。 また、居住性を上げるために折上天井や高い天井、通風や採光のために各住戸二面以上の開口部を作った。 これらは、入居者が建物に愛着を持って長く住んでもらえるようにするためである。 木造密集地に新しい建物が建つことで、道路は広くなり植物が植えられ、日が入り、街が新しくなっていく。 入居者が新しく生活を始める街で、古くから住んでいる人も含め街や建物に愛着を持て、長く住みたくなるような建物を目指した。